これから積立保険のコトを書くにもかかわらず、最初にこんなことを書くのはいかがなものかとは思いますが、基本的に積立保険は不要です。ここでいう積立保険には、学資保険や個人年金保険も含みます。
そもそも、保険機能と積立機能は全く別に考えるべきです。保険のセールスマンからは、●年後に●万円返ってくる!とか、この貯蓄型保険は利率が銀行預金よりもいい!とかのセールストークを聞きますが、お金を積み立てたいなら自分で毎月一定額を貯蓄すればよいだけの話です。
利率を見ると、一見、お得な保険と思うものもあるかもしれませんが、保険料の一部は、当然のことながら保険会社の利益や営業費として取られています。その利益や営業費を考慮したうえで、加入者に払い戻す利率を提示しています。
また、この手の貯蓄型保険は、満期を待たずに途中で解約した場合、それまでに支払った額よりも少ない額しか返ってこないこともあります。
そんな積立保険ですが、唯一おすすめできるものがあります。それは、明治安田生命の「じぶんの積立」です。
明治安田生命の「じぶんの積立」とは
http://www.meijiyasuda.co.jp/find2/light/list/jibunnotumitate/
1口あたり5000円を5年間積立て、10年後に満期金として3%の利率が付いた額が戻ってくる保険です。途中で解約した場合や、契約者が死亡して途中で保険を解約した場合も、返戻率はいつでも100%以上です。
また、災害で死亡した場合は積立額の1.1倍を受け取ることができます。
なお、契約の際には、医師の診察が不要なことも大きな特徴です。
http://www.meijiyasuda.co.jp/find2/light/list/jibunnotumitate/
ば、2口(毎月1万円)契約した場合、1年間で12万円、5年間で60万円積み立てることになります。10年後に0.3%の利率がついて61.8万円が返ってきます。
利率だけを見ると、そんなに高い保険ではありませんが、生命保険の性質を持つためか、とても大きなメリットがあります。それは、生命保険料控除が使えるというメリットです。
生命保険料控除とは
納税者が生命保険料、介護医療保険料及び個人年金保険料を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを生命保険料控除といいます。
国税庁HP:https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1140.htm
2018年時点では、生命保険料、介護医療保険料及び個人年金保険料それぞれについて、以下の計算式に基づいて所得控除を受けることができます。
年間の支払保険料等 | 控除額 |
---|---|
20,000円以下 | 支払保険料等の全額 |
20,000円超 40,000円以下 | 支払保険料等×1/2+10,000円 |
40,000円超 80,000円以下 | 支払保険料等×1/4+20,000円 |
80,000円超 | 一律40,000円 |
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1140.htm
例えば、「じぶんの積立」を2口(毎月1万円)契約した場合、年間の保険料は12万円となるため、控除額は上限である4万円となります。
所得税を20%とすると、8000円(4万円×20%)が還付されます。さらに、住民税からも控除されるため、還付される合計金額はさらに高くなります。
ノーリスクで毎年1万円程度還付される夢のような保険で、正直言って、利用しない理由がないレベルでお得な保険です。
なお、3口以上加入しても、生命保険料控除の上限が8万円と決まっており、メリットを享受できないため、多くても2口(毎月1万円)にすることをおすすめします。
注意点は?
他の生命保険をたくさん入っていて、年間の支払保険料等が既に8万円を超えている人は、「じぶんの積立」に加入するメリットはありません。
なお、子供のいる世帯主であっても、年間の生命保険料が8万円を超えるような保険に入っている場合、本当に必要な保険なのか再確認すべきです。
例えば、ネット生命保険会社で掛け捨ての定期生命保険を契約する場合、3000万円の保険金を掛けたとしても、年間の保険料は5万円もかからないのが普通です。もちろん、契約時の年齢や保険金の額が高いとそれだけ保険料も高くなりますが、それでも8万円もかかることはまずないでしょう。
この機会に、本当に必要な保険なのか再検討すべきではないしょうか。
●既に入っている生命保険の保険料を要確認。→年間保険料が8万円を超えている場合は「自分の積立」のメリットが薄い。
●今加入している保険が適切なのか、この機会に再検討すべき。
「じぶんの積立」の申込み方法
保険加入はやや面倒で、ネットで完結することはできません。対面で担当者の説明を受けた上で契約手続きをする必要があります。
①ネット又は電話で資料請求
↓
②資料が到着
↓
③担当者から面談のアポ
↓
④担当者と面談し契約
「じぶんの積立」は対面で契約するのか?
これは担当者から直接聞いたわけではないため、私の推測です(担当者に聞いても正直に答えてくれるかわかりませんが)。
明治役立生命にとって、この保険自体ではほとんど利益を見込めないでしょう。返戻率はいつ解約しても100%以上であり、保険会社が保険料を運用する期間が最大で10年間あるといっても、このご時世、保険会社が運用で利益を挙げられる額はたかが知れています。
経済評論家の山崎元さんは、「じぶんの積立」はドアノック商品として開発されたのではないかと指摘しています(めちゃくちゃ「お得」でお勧めの保険、でも納得がいかない理由)。
実際、私が契約した際も、担当者から複数の保険を自由に組み合わせることができるベストスタイルという保険と、米ドル建ての一時払養老保険を勧められました。
私は、必要な保険と判断しなかったためきっぱり断りました。担当者は、それ以上しつこく勧誘してこなかったため、はっきりと意思表示をすれば、勧誘をあまり恐れることはないと思います。
ちなみに、私が「じぶんの積立」を契約した後も、専属の担当者がアフターフォローと称して折を見て電話連絡してきたり、年賀状を送付してきたりして、継続的な関係を作ろうとしていることが見受けられます。
基本的に積立保険は不要
繰り返しになりますが、基本的に積立保険は不要です。保険を使って本当に備えなければいけないコトをよく見極めることが大切です。そんな中、明治安田生命の「じぶんの積立」は唯一お勧めできる積立保険です。生命保険料控除の枠が余っている方は、ぜひ検討すべき保険だと思います。
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